一級建築士事務所 エイチ・アーキテクツ

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2014年

日本的なるもの

再開発で注目されている「日本橋」へ行く機会があり、「日本橋」のデザインを見て「日本的なるもの」について考えさせれられました。彫刻と橋体のバランスが良く、一見すると西洋伝統様式のようですが、よく見ると日本的(アジア的?)な怪しさも感じます。

現在の「日本橋」は1603年に架けられた初代から数えて19代目になるそうです。装飾設計は明治を代表する建築家の妻木頼黄(つまきよりなか 1859-1916)で、1911年(明治44年)の完成。橋体は花崗岩貼りの西洋ルネサンス様式ですが、「日本橋」が江戸の中心で、日本の道路の里程元標でもあったことから「日本的なるもの」を表現しています。具体的には両端の燈柱足元の獅子像、中央燈柱の麒麟像と松・榎のレリーフといった日本的モチーフの採用です。

妻木頼黄は、東京駅(東京停車場 1914年竣工)を設計した辰野金吾(たつのきんご 1854-1919)、赤坂迎賓館(1909年竣工)を設計した片山東熊(かたやまとうくま 1854-1917)と同時代の巨匠ですが、東京大学工学部前身の工部大学校を中退して渡米し、ニューヨーク州コーネル大学建築学科を卒業しています。海外留学すると日本人であるアイデンティティを意識するもので、西洋建築を素直に受け入れた辰野金吾や片山東熊と異なり、妻木頼黄は西洋建築に圧倒されながらも「日本的なるもの」を常に模索していたのではないでしょうか?

ガラスやコンクリートで出来た近代建築も西洋の発明で、日本の現代の街並みも西洋の模倣なのかもしれません。日本の近代建築家も西洋と同じ建築材料を使いながら形や空間の「日本的なるもの」を表現してきました。私自身も留学した際には日本人であることを意識させられましたが、過剰に「日本的なるもの」を追求せずに、与えられた日本での設計条件に素直に対応するのが結果として「日本的なるもの」につながるのではないかと思っています。

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カーテン3Dデータ

御施主様のご厚意により当事務所ホームページに公開させて頂いている「西宮の家(旧H邸)」の家具・照明が決定し、カーテンの方針もまとまりましたので掲載のCG画像を更新しました。

家具は3Dデータの取得が容易で、CGでの具体的な検討が非常に便利です。CGでアニメーション制作するのが一般化している時代ですので、設計者が家具データぐらい3Dで扱えて当たり前かもしれません。

一方、カーテンは現在でも色やテクスチャのデータがメーカーから提供されていないので、CGでの詳細検討が非常に困難です。実際、色やテクスチャの正確な再現はCGでは難しく、今後3Dデータがカーテンメーカーから提供されても有効に活用できるか疑問ではありますが、今後の成り行きを見守りたいと思います。

家具3Dデータ

最近、家具をショールームで見る機会が増えました。数年振りに見ると、メーカーや販売業者により変化は様々です。全体的に扱うアイテムが充実する傾向にあると思いますが、中には元気が無く保守的な印象のメーカーもありました。

数年前との顕著な相違は、3Dデータを提供する海外メーカーが増えたことが挙げられます。映画を3Dで見たり、家庭用の3Dプリンターが発売されたりと「3D」が日常まで浸透し始めています。設計も「3D」で進めることが多くなり、家具の検討も当然「3D」での対応が求められます。

3Dデータの提供は家具メーカーにとっては違法な複製につながる情報を公開するリスクが伴います。ですが、3Dで設計を進めている設計者や施主にとっては3Dデータがある家具が検討対象の中心となります。今後、利便性の追求がリスクよりも優先される傾向が一般化するのではないでしょうか?

見え方いろいろ

階段を下りる際に写真の置物が目に入りましたが一瞬何かわかりませんでした。青山スパイラルで開催中の「赤塚不二夫のココロ」展での展示物。まさしく「バカボンパパ」ですが、漫画で描かれない角度での金ピカ像であったため認識できなかったのです。意外に口が前に出てカバみたい・・・バカの反対なのでこれでいいのだ?

建築も良く見る角度の裏側へまわると同じ建物かと見まがうこと度々です。裏側は設備配管が露出できるので設計者にとっては都合が良い。逆に裏側の無い建物の設計は大変です。「どちらが表で、良く見えるのはこの高さでこちら側」といったことを考えるのは、建築が敷地と切り離しては考えられないことの証左。

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ハイブリッド

新年明けましておめでとうございます!誠実で品質の高い仕事を目指し、本年も頑張りたいと思います。よろしくお願い致します!

年末年始は奈良・京都に居りました。日本の古い建物はほとんどが木造ですが、ディテールを見ると構法や時代を超越したモダンな美しさが感じられます。例えば禅宗寺院の柱の足元に見られる石の意匠。柱の根本は濡れて腐りやすいので石とすることが多く、現在の木造でも縁側の柱下に「沓石」と呼ばれる四角い白い石があります。大規模な寺院では、「礎石・礎盤」と呼ばれる二段の石の上に木の柱が設置され、石の意匠が建物の風格を物語っているとも考えられます。

今は昔よりもずっと多くの種類の建材があります。それら合理的にうまく組み合わせてハイブリッドに全体をまとめ上げるのか?或いは、ほとんどを拒絶して少ない種類の建材のあり方をストイックに追求するのか?豊かな時代の悩ましい選択があります…

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