ニューイングランドの家

 東京都美術館で開催されているアンドリュー・ワイエス展へ行きました。20世紀のアメリカを代表する画家ですが、日本でも長年人気が高いために多くの絵が日本に収蔵されていることに驚かされました。また、今回の展覧会は「境界」としての窓がテーマで、ニューイングランドの植民地時代の素朴な家々を描いた絵が多く展示されています。私自身もニューイングランドで学生生活を送った際に、素朴で憂いのある初期の植民地住宅(Early Colonial Style)に魅了されて、ニューイングランドの各地を車で見て回りました。

 冒頭画像の左側は展覧会で展示されている「乗船の一行(Boarding Party)」で、右側は当事務所で設計させて頂いた「香取の家」の外観とダイニングです。「香取の家」はお施主様から提示されたクラシカルな洋風住宅のイメージに基づいて設計を始めましたが、ワイエスの描いたニューイングランドの家とつながるものがあるかもしれません。

→「香取の家」竣工写真
→「香取の家」設計打合せでのCG画像

「小屋裏」のある家

小屋裏3階建て:2階建ての大きさで3階建て

 都市の狭小敷地で前面道路からの「道路斜線制限」と北側からの「北側斜線制限」のために2階建て以上の建物の大きさがとれない場合は、2階屋根の「小屋裏(こやうら)」を3階として3階建てとすることが出来る場合があります。「小屋裏」は建築の専門用語で、一般的な表現の「屋根裏」とほぼ同じ意味です。

 海外の住宅は急勾配の屋根が多いので映画やドラマでも屋根裏部屋が多く見られますが、日本で小屋裏の部屋を寝室として使用する場合は規定の採光・換気・排煙が法規で求められますので、屋根窓(ドーマー)や天窓(トップライト)が必要です。また、小屋裏は狭い空間となりがちなので、階段室などの吹抜をうまく視覚的につなげて広く感じられる工夫もあると良いと思います。

 当事務所で設計監理をさせて頂いた「南青山の家」は西側の接道長さが短い台形の敷地で、高度地区の北側は天空率が適用外の北側斜線、西側は道路斜線と台形斜辺(隣地境界)からの北側斜線の両方がかかるために建物のボリュームが確保しにくい状況でしたが、小屋裏3階とすることにより3階建ての住宅が実現できました。

「南青山の家」竣工写真
「南青山の家」打合せCG

 当事務所で設計監理させて頂いた小屋裏の他の事例としては「香取の家」が小屋裏2階となります。この場合に小屋裏としたのは法規対応でなく、お施主様がイメージされた急勾配屋根の海外住宅外観に近づけるためでしたが、結果として魅力的な2階の小屋裏空間になったと思います。

「香取の家」竣工写真
「香取の家」打合せCG