「小屋裏」のある家

小屋裏3階建て:2階建ての大きさで3階建て

 都市の狭小敷地で前面道路からの「道路斜線制限」と北側からの「北側斜線制限」のために2階建て以上の建物の大きさがとれない場合は、2階屋根の「小屋裏」を3階として3階建てとすることが出来る場合があります。「小屋裏」は建築の専門用語で、一般的な表現の「屋根裏」とほぼ同じ意味です。

 海外の住宅は急勾配の屋根が多いので映画やドラマでも屋根裏部屋が多く見られますが、日本で小屋裏の部屋を寝室として使用する場合は規定の採光・換気・排煙が法規で求められますので、屋根窓(ドーマー)や天窓(トップライト)が必要です。また、小屋裏は狭い空間となりがちなので、階段室などの吹抜をうまく視覚的につなげて広く感じられる工夫もあると良いと思います。

 当事務所で設計監理をさせて頂いた「南青山の家」は西側の接道長さが短い台形の敷地で、高度地区の北側は天空率が適用外の北側斜線、西側は道路斜線と台形斜辺(隣地境界)からの北側斜線の両方がかかるために建物のボリュームが確保しにくい状況でしたが、小屋裏3階とすることにより3階建ての住宅が実現できました。

「南青山の家」竣工写真
「南青山の家」打合せCG

 当事務所で設計監理させて頂いた小屋裏の他の事例としては「香取の家」が小屋裏2階となります。この場合に小屋裏としたのは法規対応でなく、お施主様がイメージされた急勾配屋根の海外住宅外観に近づけるためでしたが、結果として魅力的な2階の小屋裏空間になったと思います。

「香取の家」竣工写真
「香取の家」打合せCG

ライトウェル Light Well

左写真:階段室3階 右写真:2階ダイニングから見る階段室

 ここ数年は施設設計に携わることが多かったのですが、最近は戸建て住宅の設計のご相談が多く、外資系トップライトメーカーで長年日本でも住宅向けトップライトを販売されている日本ベルックスさんが当事務所に来られました。「西宮の家」の設計については、前回ブログまでで一通りお話させて頂いたつもりでしたが、ベルックスさんのトップライトを階段室に設置していましたので、追加で取り上げさせて頂きます。

 都心部では一般に採光が難しく、トップライトは狭小地でも採光を確保する有効な手段です。トップライトは和製英語で、英語ではスカイライト(Skylight)ですが、トップライトを通してSky(空)を見る設置の方法と、Sky(空)は見えなくてもLight(光)を感じる方法に大別できると思います。Light(光)だけを感じる方がよりドラマチックな空間となることが多く、いわゆる「ライトウェル(Light Well 光の井戸)」が演出できます。

 冒頭写真のように、「西宮の家」では階段室3階屋根のトップライトから降り注ぐ光が2階ダイニングの大型ガラス越しに見えて、階段室がライトウェル(光の井戸)となる計画です。大きなトップライトから青いSky(空)を眺めるのも気持ちいいですが、光がどのように見えるかも考えて設計したいと思っています。

→「西宮の家」竣工写真